1、認定制度について
ステンレス協会では1989年3月よりステンレス協会規格認定制度を実施しています。この制度は、規格製品の普及、品質の安定・向上及び製造・加工などの技術向上に寄与することを目的とし、SAS322(一般配管用ステンレス鋼鋼管の管継手性能基準)に基づくメカニカル形管継手を対象としています。
このため、「ステンレス協会規格認定実施規定」を制定し、学識経験者並びに使用者を主体とした委員で構成される認定委員会を設置し、メカニカル形管継手の性能・工場審査を実施し、合格した継手に認定番号を与えています。
2、認定制度の運営について
ステンレス協会では、学識経験者並びに使用者を主体とした委員で構成される規格認定委員会を設置しています。また、SAS322認定作業のために協会会員を対象に「ステンレス協会規格SAS322認定実施規定」を制定し、審査に合格した継手には認定番号を与えています(有効期間は5年間、ただし、有効期間の中間年に「中間検査」を義務付け、製造に関する重要項目の確認を実施しております)。
メカニカル形管継手の性能・工場審査は、審査要項に基づく形式検査注) を実施しており、市場での個別商品に対する性能、品質の最終責任は製造メーカーに帰属しています。
注) 製品の品質が設計で示したすべての特性を満足するかどうかを判定する検査
3、認定申請審査関係用書類
認定申請・審査につきましては、下記の書類に基づき実施されています。
(1)申請種類
・「認定申請関連様式」
・「認定申請書の作成方法と留意点」
(2)審査書類
・「ステンレス協会規格SAS322審査要項」
SAS322一般配管用ステンレス鋼鋼管の管継手性能基準審査要項
項目 | 審査事項 | |
書類審査 | 管理 | 組織・苦情処理と品質保証・検査・記録とその活用 |
生産 | 構造設計・製品規格・資材・製造・設備・外注管理 | |
実地試験 | SAS322:2012に規定する試験項目 | |
工場審査 | 工場サーベイ | |
認定審査 | 総合評価 |
4、参考資料
試験
項目 | 試験条件 | 判定基準 | ||
対象 | 試験圧 | 保持時間 | ||
気密試験 | 管継手本体 | 0.6MPa試験下限空気圧による | 5秒 | 漏れ、その他の異常がないこと |
負圧試験 | 管継手250mm以上の管を接合 | -96kPaに減圧 | 2分 | 吸い込み、その他の異常がないこと |
水圧試験 | 管継手250mm以上の管を接合 | 表1の水圧試験圧力による | 2分 | 漏れ、破壊、抜け、その他の異常がないこと |
引抜試験 | 管継手に250mm以上の管を接合し、0.2MPaの空気圧を封入した状態で、空気が漏れるまでの最大荷重を測定 | 表2に示す引抜阻止力に適合すること |
その他の品質項目として以下が規定されています。
●振動試験
●冷温水サイクル試験
●内圧繰返し試験
●腐食試験
●実体による促進劣化試験
●浸出性能試験
表1 水圧試験圧力
単位MPa
呼び圧力 | 試験下限圧力 |
10K | 2.5 |
20K | 3.5 |
表2 引抜阻止力
単位kN
呼び方(Su) | 引抜阻止力(最小値) |
8 | 1.1 |
10 | 1.7 |
13 | 2.2 |
20 | 3.8 |
25 | 4.9 |
30 | 7.0 |
40 | 8.8 |
50 | 10.1 |
60 | 15.8 |
75 | 19.8 |
80 | 30.9 |
100 | 39.7 |
125 | 48.5 |
150 | 86.0 |
200 | 112.8 |
250 | 139.8 |
300 | 165.7 |
表3 ゴムの種類、耐熱温度及び用途
ゴムの略号 | ゴムの種類(詳細呼称) | 耐熱温度(℃ | 用途 | |||
給水 給湯 |
冷温水 冷却水 |
高温水 | 蒸気還管 | |||
IIR | ブチルゴム | 0~80 | ◯ | ◯ | ー | ー |
CIIR | 塩素化ブチルゴム | 0~80 | ◯ | ◯ | ー | ー |
FKM | フッ素ゴム | 0~100 | ◯ | ◯ | ◯ | ー |
フッ素ゴム(特殊 フッ素ゴム) | 0~130 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
HNBR | 水素化ニトリルゴム | -15~100 | ◯ | ◯ | ◯ | ー |
EPDM | エチレンプロビレンゴム a) | 0~80 | ◯ | ◯ | ー | ー |
注a) エチレンプロビレンゴムは、耐塩素系材質とする。