作品カテゴリー:建築・土木部材
重要文化財 厳島神社大鳥居 耐震補強
公益社団法人 文化財建造物保存技術協会
選考理由
重要文化財厳島神社の大鳥居は約70年ぶりの大規模な修理工事が行われ、修理に伴い耐震診断を実施し、綿密な構造調査、3次元立体解析モデルを用いた構造解析を実施しました。その結果、各柱には腐朽や蟻害による大きな空洞があることや柱脚に根継ぎがあること等が判明し、構造的弱点となることから構造補強をする必要がありました。
鳥居は海洋に設置され、常時海水の影響があるという特殊な立地条件を考慮し、耐海水性能、耐食性の高いSUS312L(NSSC 270)の材料を用い、根継ぎ補強用の水平バンドや、木部の空洞部補強として圧縮引張材となる縦バンドの補強材を設計しました。
世界遺産である厳島神社の構成要素として歴史的にも重要な大鳥居は毎年多くの人が訪れる日本のシンボルの一つです。今回、SUS312Lを用い文化財の価値を維持しながらステンレスによる耐震補強を行うことができました。
使用鋼種:SUS312L
使用量等:665kg
推薦会社:株式会社アロイ
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