作品カテゴリー:建材・土木部材 |
日本橋三井タワー |
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三井不動産㈱/シーザー・ペリ アンド アソシエーツ ジャパン㈱/㈱日本設計/鹿島建設㈱
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選考理由 日本橋三井タワーは、日本の近代建築を代表する建築物が数多く残る東京・日本橋において、歴史的建造物の保存と、地域の活性化としての開発の両立を目指した延床面積約13万㎡に及ぶ高さ約195mの超高層ビルであり、東京都の「重要文化財保存型特定街区制度」の第一号適用物件となっている。
タワーは、外装を花崗岩打込みPC、ステンレスサッシ、ステンレス製コーニス等で構成した最先端の建物で、列柱の回廊を配することにより、歴史的建物とも調和した都市景観を生み出している。
外部に面するステンレス材料は、美観の維持、耐久性の向上を目的として、SUS445J1が採用され、内装のステンレスの表面仕上げは光沢を押えるマット調の特殊HL仕上げで統一しており、建材としてのステンレスの重要性を高めた建築物である。 |
使用鋼種:SUS 445J1, SUS 304 |
使用量等:180トン |
推薦会社:日新製鋼㈱ |
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作品カテゴリー:建材・土木部材 |
醤油諸味貯蔵用タンク |
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長工醤油味噌協同組合
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選考理由 食品業界では、消費者の食の安全への関心が高まるなか、HACCPへの対応等製品の安全性の維持、向上を図るため様々な対応が求められている。
本醤油タンクは、他素材既設タンク(コンクリート、FRP、エポキシライニング)の弱点である耐久性、耐震性、メンテナンス性を向上させるため、オールステンレス製タンクとしてリプレース、設置されたものである。内装タンクは高塩素環境で優れた耐食性を発揮するスーパーステンレスを採用、ジャケット部にはSUS304、外装は意匠性を高めたフェライト系カラーステンレスを用いており、各種ステンレス鋼をそれぞれの機能、特徴を生かして使い分けている。
「食の安全」への消費者の強いニーズを的確に捉え、かつ耐震性・耐久性・意匠性の面からも優れたステンレスの特性を有効に活用し、醤油業界のイメージアップとステンレスのPRに寄与した好事例である。 |
使用鋼種:SUS 430J1L, SUS 304,SUS312L |
使用量等:240トン |
推薦会社:新日鐵住金ステンレス㈱ |
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作品カテゴリー:製品 |
「SOSラダー」 |
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日本金属㈱
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選考理由 平成13年の歌舞伎町の雑居ビル火災から消防法が大幅改正され、特定一階段等防火対象物(雑居ビル)への避難はしご設置が義務化された。以降、避難器具開発において、国は日本消防検定協会に委員会を設け、新たな技術開発に係わる特例基準が作られた。
「SOSラダー」は、この日本消防検査協会の国家検定(総務大臣認定)を取得し、平成17年9月より販売化している。
この金属製避難はしごはビルの外装面に設置されることから、耐久性はもとより意匠性・機能性・強度を要求されることよりSUS304を使用しており、機能部の滑車やワイヤーに至る部品までステンレスで構成されている。
既存防火対象物の遡及適用が原則として平成18年9月31日までとされており、今後の需要拡大に大きく貢献することが期待される製品である。 |
使用鋼種:SUS 304 |
使用量等:150~380kg |
推薦会社:ー |
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作品カテゴリー:製品 |
システムキッチン用ステンレスシンク「スーパーサイレントe-シンク」 |
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クリナップ㈱
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選考理由 このキッチンシンクは、現代のライフスタイルに根ざした多様なニーズへの回答として、高度な加工技術を駆使した排水口一体プレス成形と底部のエンボスパターン加工、表面機能を飛躍的に高めるセラミックコーティング技術、音と振動を抑えるための複合材料技術などが結集され、具現化された高機能製品となっている。
キッチンシンクという、ステンレスの象徴的製品をベースに、「疵付かない」「汚れない」「静か」という、新たな機能を高次元で実現したこの製品は、新規性という意味でも、またステンレスの一段の普及発展への貢献という面でも、大変価値の高い製品である。 |
使用鋼種:SUS 304J1相当 |
使用量等:約7㎏/台 |
推薦会社:新日鐵住金ステンレス㈱ |
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作品カテゴリー:製品 |
フェライト系ステンレス鋼システムキッチン異型シンク |
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タカラスタンダード㈱
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選考理由 従来、家庭用シンクの素材は、耐食性ではSUS430で十分であるが、伸びが比較的低くプレス成型の自由度が小さいことから、オーステナイト系ステンレス鋼を使用する場合が多い。
これに対し本作品は、製品形状に適した材料の選定とプレス加工条件の検討から、特に異型形状部の絞り加工時の材料の流れ込み条件を最適化することにより“フェライト系”ステンレス鋼での異型シンク成形を実現した。
この異型シンクは、成形技術と材料との組合せにより複雑な形状の加工が可能となることを示した作品である。コストパフォーマンスの高いフェライト系ステンレス鋼の特性を十分に活用して、諸々の問題を解決して、異型シンクの成型に成功、量産化に至ったものであり、フェライト系ステンレス鋼の用途拡大に大きく貢献した。 |
使用鋼種:SUS 430 |
使用量等:6.7kg/台 |
推薦会社:JFEスチール㈱ |
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作品カテゴリー:製品 |
ステンレス製IH土鍋「うたげ」 |
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㈱フジノス
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選考理由 その安全性や利便性から、今後ますますの発展が期待されるIHクッキングヒーター。しかし、その構造から、アルミ鍋・銅鍋・耐熱ガラス鍋・土鍋等は使用できなかった。
そこで、一家団欒を演出する日本古来の土鍋に着目し、ステンレス鋼に特殊な塗装を施すことにより、IHでの使用を可能にした土鍋が開発され、販売に至っている。
この土鍋は、IHでの加熱時に熱膨張の均一化を図る目的で、SUS430J1Lというステンレス鋼を単層の鍋に使用し、鍋の内部の暖かさを長時間保持することが可能となっている。
ステンレス鋼に特殊な塗装を施し、土鍋に見せるという斬新なアイデアはステンレス鋼のイメージアップを図るとともに、新規の需要開拓に限りない可能性を提起している。 |
使用鋼種:SUS 430J1L |
使用量等:平均2.4㎏/個 |
推薦会社:新日鐵住金ステンレス㈱ |
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作品カテゴリー:機能性部材 |
バルブシート |
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㈱共伸
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選考理由 本部品は複雑な形状をしていることから、従来は真鍮の切削でしか製造できなかった。冷間鍛造による試作もSUS304にて試みられたが、部品の寸法精度や量産製造を実現することは出来なかった。
そこで、オーステナイト系ステンレス鋼板の中で最も軟質で加工硬化の低い極軟質ステンレス鋼板を適用したところ、冷間鍛造による製造に成功した。
ステンレス鋼板の冷間鍛造へ材料および加工方法を変更することにより、①歩留向上による材料費削減と加工時間の短縮により部品コストを従来の1/3に削減。②切削から連続プレス化による加工寸法の精度向上による品質の安定。③材質変更による組立後の空調機バルブの熱効率向上による省エネ貢献。等多くのメリットがあり、難易度の高い異型形状を冷間鍛造加工で実現するには加工技術と素材技術の相乗効果が必要で、本事例はその好例である。 |
使用鋼種:SUS XM7改良鋼 |
使用量等:60g/個 |
推薦会社:日新製鋼㈱ |
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