山形県村山市水道課のステンレス鋼管の使用状況
村山市水道課では昭和52年より給水配管にステンレスを採用しています。
■採用に至った経緯
村山市では昭和51年から、水質や土質による鉄系水道配管の漏水問題を契機に、埋設試験を行ないながら採用に踏み切りました。
その結果、さびによる赤水や漏水対策に大きく寄与しています。
■ステンレス配管の経済性について
現在、給水管のステンレス化率は概ね60%を超えており、増加するに伴い、漏水件数も低減され、イニシャルコスト・ライフサイクルコストとしても非常に経済的な材料と言えるでしょう。
■水道用ステンレス鋼管土壌腐食試験
試験環境:
ステンレス鋼管は土壌中における耐食性に優れているが、土中埋設はさらに防食テープで被覆し配管しているため、とくに信頼性が高くなっています。
試験片の表面状況:
試験材料は、SUS304・銅・亜鉛メッキ鋼管・SGPを埋設し、埋設後約5年経過の後に掘り起こしました。
管の外面は、材質を問わず平滑で孔食などの局部腐食は認められませんでした。腐食減量の多い、銅・亜鉛メッキ鋼管には、外面が比較的均一に腐食状態が認められました。
また、SUS304管に、裸及び防食テープを巻いたものが含まれており、防食テープを解いて防食効果を観察した結果、管外面の変化は認められず、裸埋設試材との比較では、表面の変色を防止するには防食テープは有効であると言えます。しかし、SUS304の裸状態における耐食性を考えると、防食テープの必要性は少ないものと考えられます。
■凍結防止対策
保温に関しては、材料に合せた発泡スチロール製20mmを使用しています。
ヒーター巻の指定は行なっておりませんが、普及してきています。
また、継手材料も凍結対策品などを利用し水抜栓を各系統毎に設置するなど、対策を施しています。
ステンレス配管についての総合評価
ステンレス配管を採用して、常に安定したおいしい水を供給できるようになり、経済的な負担も低減されるようになりました。また、環境問題や健康問題が取り沙汰されるこれからの時代に適合材料と言えるでしょう。