ステンレス協会 会長 |
この度、ステンレス協会の第79回定時総会におきまして、会長に就任いたしましたので一言ご挨拶を申し上げます。 堅調が続いてきた世界経済、日本経済は、昨年から米中貿易摩擦の影響が拡大したことに加えて今年に入っての新型コロナウィルス感染症の影響により各分野が大きなダメージを受けています。中国を初めとして日本でも一部経済は動き出し最悪期は脱したとも見えますが、新興国での感染は拡大しており予断を許さない状況が続いています。 いつ元に戻るのか、またその後の生活スタイルの変化が社会経済にどのような影響を与えるのか、今はまだ計り知れない状況です。 国内のステンレス産業においても足元まさに需要家の皆様、商社、流通、加工、メーカーそれぞれがその渦中にあり、急激な販売減、生産減を余儀なくされ、極めて厳しい状況に直面していると言わざるを得ません。 こうした厳しい環境の下で難局を乗り越えてステンレス事業を更に成長させるためには、これから起こり得る需要構造の変化への感性をより高めて、新規需要の発掘、他素材からの転換など用途開拓・商品開発・市場開拓をこれまで以上に強く推し進めることが重要です。 ステンレス鋼が有する耐食性、耐熱性、強度、意匠性など多彩な機能、ライフサイクルコストやリサイクル性に優れた社会的な価値、魅力を広く伝え、最先端の研究開発と製造技術を結集した高機能商品をはじめとした多種多様な品揃えと、商社・流通・加工など関係する全ての方々で築き上げてきたサプライチェーンによってそれを提供していくことでわが国のステンレス産業は国内外のマーケットにこれからも貢献し、発展していくと確信しています。 ステンレス協会は、昭和34年(1959年)に設立され、昨年60周年を迎えました。この間、ステンレスの市場開発活動や調査統計事業、標準化事業などを行い業界の発展に貢献して参りましたが、これらは協会のコア事業として今後も充実させていく必要があります。 最後になりますが、会員各社の格別のご指導とご支援をお願いし、会長就任のご挨拶とさせていただきます。 |