JIS鋼種番号とSUS316LやSUS430Fなど鋼種記号の後ろについたアルファベットの意味

ステンレス鋼のJIS(Japan Industrial Standard:日本工業規格)記号は鋼材と鋳物の2種類があり、それぞれSUS(Steel Use Stainless)とSCS(Steel Casting Stainless)を用いています。

JIS鋼種を示す記号は当初、制定順に一連の番号を付けていましたが、記号で鋼種区分が分かるようにとの要望に応じて3桁の数字記号が採用され、1972年の規格改正時にAISI(American Iron and Steel Institute:アメリカ鉄鋼協会)規格番号に準じた記号の付け方に切り替えました。記号の付け方は以下の通りです。

(1)AISI規格番号の桁数の意味

1. 200台:Fe-Cr-Ni-Mn(鉄-クロム-ニッケル-マンガン)系ステンレス鋼
2. 300台:Fe-Cr-Ni(鉄-クロム-ニッケル)系ステンレス鋼
3. 400台:Fe-Cr(鉄-クロム)系ステンレス鋼
4. 600台:Fe-Cr-Ni(鉄-クロム-ニッケル)系析出硬化型ステンレス鋼

(2) 日本独特の鋼種

・AISI規格記号の後にJ1、J2の連番をつけます。
表1にJISの代表鋼種と外国規格の比較を示します。

表1 JIS規格記号と外国規格記号の比較

日本工業規格アメリカ欧州
種類JIS旧JIS末尾のアルファベットの意味AISIEN
オーステナイト系SUS201AISI2011.4372
 SUS202AISI2021.4373
 SUS301SUS39AISI3011.4319
 SUS303SeSe:セレン(快削性改善元素)添加AISI303Se
 SUS304SUS27AISI3041.4301
 SUS304LSUS28L:極低(Low)炭素AISI304L1.4307
 SUS304N1
SUS304N2
N1,N2: 窒素(Nitrogen)添加。AISI304N1.4306
 SUS316SUS32 AISI3161.4401
二相SUS329J1J1:日本独自鋼種AISI3291.4450
フェライトSUS430SUS24AISI4301.4016
 SUS430FF:快削(Free cutting)AISI430F1.4105
マルテンサイトSUS410SUS51AISI4101.4006
 SUS420J2SUS53J2:日本独自鋼種AISI4201.4028
析出硬化SUS630SUS80S174001.4542
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