表面仕上げの種類とその表面仕上げ方法
ステンレスの持っている耐食性と表面の美麗さに加えて、メンテナンスフリー、意匠性、清潔感、機能性をあげるために各種の表面仕上げが使われています。主な表面仕上げを表1に示します。製法は圧延ロールによるもの、研磨によるもの、その他にエッチング、ショットブラスト、着色などの方法があります。
最近の表面仕上げ材の使用用途
これまで、主にNo.2B、No.4、BA、HLなど目的に応じて選定され使用されていましたが、高い意匠性の要求や、機能性の必要から新しい表面仕上げが採用されています。
(1)建築分野
大型屋根材では塩化物による腐食対策と意匠性向上のため塗装処理が施され、高意匠性・高耐久性のある高級建材には銅・亜鉛めっきされたものが使用されます。内・外装材として、シックで高級感が得られるバイブレーションやビーズブラストなど艶をおさえたものが指向されています。特に内装デザイナーの芸術的個性に応えて鏡面研磨、エッチィング、HL、イオンプレーティングなど高度な手法が用いられています。また、最近ステンレスが構造材として認められ、形鋼などの構造部材も意匠の対象となり表面仕上げして使用されています。
(2)家電分野
多様化と高級指向に応じて、塗装、エッチィング、エンボス、発色など意匠性に加えて、指紋や汚れがつきにくく、また汚れが容易に拭取れるようBAやHLにクリア塗装・被覆したものがあります。クリア塗装にはさらにカラークリア塗装が登場しています。
(3)食品分野
1995年に導入されたHACCP(食品の危害分析重要度管理)システムに対応する抗菌性と防汚性の向上ため、クリーンルームの内装材を光触媒作用のある酸化チタンセラミックを配合した塗装仕上げとしているものがあります。