ステンレス建材の汚れや「さび」の状態は個々のケースによって異なります。
下記の例を参考にそれぞれの状況に応じて、最も適切な手入れ方法を採用してください。
また、手入れの実施に当たっては、予め目立たない部分を使って、作用の弱い手入れ方法から強い方法へと段階を追って、幾つかの方法を試して、洗浄効果を確認してください。
テストの結果、満足な結果の得られた方法で全面にわたる清掃に着手してください。
1. 面保護フィルムの糊残り
軽度な場合は、アルコール、ベンジン、シンナー、アルコールとトルエン又はアセトンの混合溶液(作用の弱い順)をスポンジか布に含ませて拭き取ります。この際、これらの溶剤が乾かないうちにきれいな布でさらに拭き取ってやると、溶剤で伸ばした糊がステンレス表面に残ることなしにきれいに拭き取れます。糊残りがひどい場合は、上記の溶剤の量を多くしてしばらく置いたあとで拭き取るか、あるいは市販のステンレス建材用清掃剤(※)を用います。
いずれの場合も最後に十分水洗してください。
2. あかや指紋あとによる汚れ
ほとんどの場合は、中性洗剤か石鹸水で拭き取れます。 これで取れない場合は、有機溶剤(アルコール、ベンジン等)を用います。有機溶剤を用いる場合は、溶剤が乾かないうちにきれいな布で拭き取るときれいになります。 この他、市販の清掃薬剤も使用できます。 いずれの場合も使用後の水洗を入念に行ってください。
3. しみ「もらいさび」の初期
「もらいさび」の初期やその他の原因による「さび」のごく初期のしみ程度の段階であれば、ステンレス表面自体は全くあるいはごくわずかしか影響を受けていないため、市販の清掃薬剤のうち初期の「さび」や汚れに有効な種類を用いることにより、ほとんど元通りの表面に戻すことができます。
4. 赤さび
「もらいさび」をそのまま長期間放置すると、ステンレス自身の「さび」に進展します。 また塩分やその他の有害成分による「さび」の場合もそのまま放置すると、茶褐色の厚い「さび」に変わっていきます。このような状態になる前に手入れをすることが必要です。
このような状態の「さび」 を除去するには、市販の清掃薬剤のうち「ひどい赤さび」や汚れ用が必要となります。 これらの薬剤でもなお「さび」が除去できない場合は、予めサンドペーパーやステンレスブラシなどである程度「さび」をこすり落とした後、薬剤を使用すると除去しやすくなります。この場合は、ステンレスの表面にこすり傷がつくことはさけられません。 清掃後,再度研磨仕上げをやり直すなどの処置が必要になります。
※ ステンレス協会発行の「ステンレス建材の上手な使い方」「ステンレス建材のメンテナンス」に記載してありますので、お尋ね下さい。