会長就任に際して  三喜俊典新会長

この度、ステンレス協会第62回定時総会におきまして会長に就任いたしましたので一言ご挨拶を申し上げます。

ステンレス協会は、昭和34年(1959年)に設立され、半世紀を越える歴史を積み重ねてまいりました。この間、ステンレス協会会員各社、並びにステンレス産業に携わってこられた多くの先輩各位のご苦労とご尽力に対し、深く敬意を表するしだいでございます。それと共に、このステンレス協会の歴史の重みと責任の重さを改めて感じるしだいであります。

さて、皆様ご存知の通り、今年はステンレス鋼が発明されて100周年にあたり、ISSFをはじめ各国各団体でPRをしてまいります。有史以来鉄を産業に暮らしに取り入れてきた我々にとって、ステンレス鋼はその長い鉄の歴史の中では比較的新しい素材といえます。ステンレス鋼の持つ高機能性、高リサイクル性はこれからの産業発展・社会構造の変化の中でまだまだ大きな可能性を持っていると考えています。

一方ステンレス産業を取り巻く環境は、中国を中心とする東アジアの生産能力の拡大、長期化する円高による日本国内の需要低迷、金融不安に端を発した欧州の景気減速など国内外に大きな問題を抱えており、メーカー・流通・需要家を含めた産業構造も従来の延長線上ではなく、大きな変化・改革が求められているように考えます。このような厳しい環境下でも、いかにして日本のステンレス産業の健全な発展を進めていくか、また正しい情報を世界に発信しリードしていくかがステンレス協会の主要な使命であると考えております。

幸いにして、日本のステンレス産業には世界に負けない高度かつ豊富な技術の蓄積があります。これまでも新鋼種開発や品質改善などで、素材の優位性を保ちつつお客様や市場のニーズに応えて需要の裾野を着実に広げてまいりました。近年でも省資源材料の開発によるコスト低減ニーズへの対応や省工程に対応する鋼種開発が成果を出しております。

真の国際競争力が問われる時期に、ステンレス協会の会長に就任するにあたり、木下前会長の進めてこられたISSFをはじめとするグローバルでのコミットメントや、日本国内における公共物件でのステンレス鋼の採用拡大推進、統計データの適時提供、環境問題への対応などを引続き進めてまいります。何卒、よろしくお願いします。

最後になりますが、会員各社の格別のご指導とご援助をお願い申し上げ、会長就任のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。

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