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この外装パネルは、長さ18.5m・厚さ5mmの長尺台形で、パネル毎のねじれが異なり、表面は特殊ビーズブラスト仕上げにて意匠性を高めたものです。全て3次元CADを駆使し曲線を作り出しました。
なお、材料製造に当たっては、表面の均一性、長尺レベラーや台形レーザー加工、物流等が課題となる中で、異なる治具や特殊プレス方法及び特殊ビーズブラスト仕上げ等の開発に加え、長尺運搬用架台作成、長尺21mレーザー加工設備活用等の問題を関係各社の尽力でクリアーされています。
I.M.Pei氏(設計者)による斬新なデザインもあり、ステンレス調を強調した美観の優れた今までにない建築物となっております。
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使用鋼種:SUS304 |
使用量等:100,000kg |
推薦会社:新日鐵住金ステンレス株式会社 |
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製品 |
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アイフォーン |
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Apple Japan, Inc. |
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iPhoneは携帯電話の枠を超えたモバイル端末で、「スマートフォン」の先駆けとなった製品です。本製品は、取扱い説明書を必要としないほどの使い易さから、これまでにない真の個人携帯端末機としての新境地に達しています。その特徴である前面液晶のインターフェースの枠には、無垢のステンレス鋼板が採用されており、機能だけでなく意匠面でも革新的な製品です。
このデザインの一翼を担っているのが高度な意匠と加工が施された無垢のステンレスの光沢であり、高級感と剛性感、さらには洗練されたファッション性をも醸し出しています。
このように世界中で話題になっている製品の素材として、ステンレスが採用されることにより、ステンレスのイメージアップになるだけでなく、今後、他の商品への展開も期待できます。 |
使用鋼種:SUS304相当 |
使用量等:約0.1kg/個 |
推薦会社:日新製鋼株式会社 |
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機能性部材 |
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あがりかまち用 たちあっぷ |
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矢崎化工株式会社 |
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介護用補助手摺の「あがりかまち用たちあっぷ」の台座部分には、従来、普通鋼のSS400等を使用していましたが、高齢者が力を入れる際の尿漏れや失禁等による製品さびの問題が顕在化し、製品劣化を防ぐ必要性が出てきました。そこで、普通鋼からステンレスに全面切り替えを図ることにより、防錆性能を向上させる対策を実施。製品の長寿命化も実現し、レンタルを行うリース業界にも広く受け入れられるに至りました。
ステンレス化においては、磁性のあるフェライト系を採用し、台座を覆う滑り止めマットをマグネットを使った着脱式として簡単に取り外しが出来るようにし、利用者のメンテナンスを容易としました。また、台座はビス留めの二層構造とし、より高い耐食性を必要とする上部にSUS443J1を採用、下部にはSUS430を使用することで、製品の取替えを可能とし、低価格化も図りました。
高齢化社会に突入し、今後も福祉介護用品のニーズがより一層高まる中、ステンレスの魅力を拡げ、新規需要を開拓するとともに、社会に多大なる貢献をしている製品です。
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使用鋼種:SUS443J1、SUS430 |
使用量等:20kg/個 |
推薦会社:JFEスチール株式会社 |
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建築・土木部材 |
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塩害対策としてステンレス鉄筋を使用した能生大橋 |
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一般社団法人日本鋼構造協会 ステンレス技術標準委員会
ステンレス鉄筋技術普及委員会 |
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能生大橋は、日本海沿岸に架かる国道8号線の橋梁である。海岸線に沿う位置に建設されており、塩害による劣化が著しく、抜本的な耐久性向上が望まれていました。
ステンレス鉄筋の採用にあたっては、合理的な適用範囲の設定、プレキャストコンクリート製造並びに現場施工方法について、施主、施工者等が協議を重ね、旧能生大橋の腐食状況と今回新設される橋梁の構造を踏まえて、4径間の橋桁の中で最も塩害環境の厳しい新潟側の1径間の桁の外縁部鉄筋と、現場でのコンクリート打設となるコンクリート打ち継ぎ部の鉄筋に適用することとなりました。
ステンレス鉄筋採用に際しては、施主、施工者と連携した取組が不可欠なことから、ステンレス鉄筋技術普及小委員会として対応したもので、産官学が連携した成果となっています。
能生大橋は、これらの研究成果を踏まえたステンレス鉄筋の合理的な適用形態であり、新たな市場開拓の成果として極めて有意義であります。
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使用鋼種:SUS410 |
使用量等:約60トン |
推薦会社:新日鐵住金ステンレス株式会社 |
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建築・土木部材 |
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洗足学園音楽大学 シルバーマウンテン・eキューブ |
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k/o design studio + KAJIMA DESIGN |
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コンクリートの自由曲面で作られた音楽大学のリハーサルスタジオ全体をステンレスの一文字葺きで覆ったもので、伝統的な屋根葺き構法を採用しながら、最新の3Dプログラム解析により自由曲面の施工を可能にしたものです。
8000枚のステンレス板のうち大半をW600mm×H400mm定尺寸法でハゼ部分の僅かなクリアランスを利用して曲面に対応できるようにコンピュータ解析し、残りのパネルについても全て形状を割り出して施工したもので、クリア塗装を施したフェライト系ステンレスの僅かな輝きと鱗のような美しいねじれ模様が特色です。コンクリート躯体の精度管理にはレーザー計測を使い、モルタルでレベルを調整した外断熱構法で、ステンレスの新たな利用法として今後の大いなる応用が期待されています。また夜間のLEDによるRGBのカラー照明により昼間と異なる幻想的な姿が注目され、音楽大学の新たな顔となりつつあります。
ステンレスという工業材料を斬新な手法でコンピュータを駆使して、新たな表現の領域を開いたものです。
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使用鋼種:SUS445J2 |
使用量等:8,000kg程度 |
推薦会社:日本金属工業株式会社 |
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機能性部材 |
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ダイカラット・靭(JIN) |
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株式会社国元商会 |
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「ダイカラット・靭(JIN)」は、床下換気を目的に使用されるステンレス製スペーサーであり、木造住宅の基礎/土台の間に敷設されます。従来の同製品は、オーステナイト系ステンレスで製造していましたが、樹脂及びゴム製スペーサーと比較して、耐久性は優れるものの、高価なことが課題でした。そこで、新しい機能を付加させるコンセプトで新スペーサーが開発されました。
当製品は独自の立体メッシュ形状であるため、大地震発生時には製品自体が変形することで衝撃を吸収し、家屋損壊を低減する「吸震」性能を持っています。さらには、従来製品より高い通気性を確保し、ステンレス製のため優れた耐久性も併せ持っています。
材料選定においては、立体メッシュ形状をつくる高い加工性とコストダウンを両立させるものとして、加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼が採用されました。 |
使用鋼種:フェライト系ステンレス鋼(17Cr-Ti-Nb-LC) |
使用量等:0.088kg |
推薦会社:日新製鋼株式会社 |
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建築・土木部材 |
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金峰山 円福寺 本堂屋根 |
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銅市金属工業株式会社 |
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神社仏閣の屋根材としては、一般的に瓦、銅板、塗装鋼板等が使われていますが、昨今の地震への対策としての軽量化、酸性雨への対応として新素材が求められてきました。
従来から塗装ステンレス鋼板の存在は知られていましたが、その硬さゆえ曲面加工の多い神社仏閣の屋根用途には適さないとされていました。
今回、加工のし易い「特殊で軟質なSUS304相当」のステンレスに「酸化発色」を施すことにより、意匠性、耐食性、軽量化(瓦屋根の1/11)を兼ね備えた屋根用の新材料としての用途を開発することができました
今後、地震への対応のため、屋根の軽量化は有効であり、ステンレス素材の特質を活かした表面発色技術、屋根製品の製造・施工技術の創意工夫が相まって、神社仏閣等の日本古来の文化保存にも寄与することから、ますます屋根用途の需要拡大が期待されます。 |
使用鋼種:軟質なSUS304相当品 |
使用量等:5,2900kg |
推薦会社:日新製鋼株式会社 |
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