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国内最高級グレード車に搭載されているV型エンジンの燃料は安定した2気室から供給され、フューエルユニオン部品はその重要な燃料系部品である。
燃料に対する耐食性とその安定設置より、当初、快削鋼ステンレスと普通鋼の2ピース部品の溶接部品として検討されていたが、2ピース部品では、@溶接能力限界による生産阻害及びA高コストが課題であった。
これらの課題を克服するため、複雑形状の自動車エンジン部品において、高純度フェライト系ステンレス鋼の優れた冷間鍛造性に着目し、業界で初めて太径鋼線から強冷間鍛造による一体成形に成功した。
冷間圧造時に極限までの強冷鍛加工を行うための様々な工夫がなされており、高純度フェライト系ステンレス鋼を象徴する画期的な作品である。 |
使用鋼種 |
SUS 430J1L相当 |
使用量等 |
約 0.1kg/個 |
推薦会社 |
新日鐵住金ステンレス |
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建築・土木部材 |
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身延山久遠寺五重塔復元工事 タイロッド受金物及びステンレス間柱補強 |
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公益財団法人文化財建造物保存技術協会/愛知製鋼 |
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歴史的木造建造物の耐震補強部材に耐食性の観点(さびによる膨張に伴う木部破損の回避と山間部における高湿気に対する耐食性)により、ステンレス鋼が採用された。
木材のラフな施工公差にもフレキシブルに対応しており、且つ、火気作業厳禁のため、現場溶接・溶断を必要としない作業性を考慮したディテールが採用されている。
文化財建造物に採用されたことで、ステンレス鋼のイメージアップ及び社会文化への貢献度が高いと評価された。
また、ステンレス材料の文化財復元・改修工事にも採用計画が展開されており、歴史的建造物への適用としての新規需要が期待される。 |
使用鋼種 |
SUS 304 |
使用量等 |
8,624kg |
推薦会社 |
愛知製鋼 |
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機能性部材 |
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木造住宅用基礎パッキン「ネコニカQ」 |
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(有)星野企画 |
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従来、木造住宅用基礎パッキン(通気用金具)には合成樹脂を使用するのが一般的であった。これに対し、合成樹脂より強度が高いステンレス鋼を使用した基礎パッキンが開発された。このステンレス鋼製基礎パッキンには、コストパフォーマンスの高い高耐食フェライト系ステンレス鋼の21%Crステンレスが採用されている。
この21%Crステンレス製基礎パッキンは、合成樹脂製と比較して、強度が高いことから、通気口高さを9mmに狭めることが可能となり、その結果、耐震性が向上したほか、防鼠措置が不要になった。また、ステンレス鋼であることから合成樹脂に対して耐火性も高く、経年劣化もないなど、多くのメリットが得られている。
本部材の採用実績は着実に拡大しており、ステンレスの需要拡大に貢献している作品である。 |
使用鋼種 |
21%Crステンレス鋼 |
使用量等 |
約 0.2%/個 |
推薦会社 |
JFEスチール |
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その他 |
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ステンレス給水プレハブ配管工法「サップス工法」 |
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樺キ谷工コーポレーション |
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集合住宅の給水管は、一般に硬質塩ビライニング鋼管が広く使用されていたが、共用部の給水管をステンレス鋼管で施工する工法が開発された。
サップス工法は、立配管を階高に合わせて標準化すると同時に、ステンレス管の特徴である大きな流量係数を考慮して、在来管種と比較してサイズダウンを行うことにより、コストの削減を可能にし、従来配管とほぼ同等のコストを実現した。
さらに、国交省の超長期住宅先導的モデル事業に応募し採択され、将来の優良なストック住宅供給に寄与し、産業廃棄物削減やCO2排出量削減に貢献している。
長期優良住宅の社会ニーズ実現には、経年劣化の少ないオールステンレス配管システムは不可欠であり、ステンレス需要拡大が期待される工法である。 |
使用鋼種 |
SUS 304 |
使用量等 |
約 5kg/1戸 |
推薦会社 |
日新製鋼 |
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建築・土木部材 |
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αMATRIXビル |
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(有)A.A.E |
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銀座の裏通りに面するαMATRIXビルは厚い金属板に無数の穴を研削したような佇まいをもち、シリンダー内部には鏡面仕上げのステンレスパネルが採用され、精密なシリンダーの配列は銀座特有の都市コードを継承すると共に、ステンレスの強いエッジとコントラストによって圧倒的な街区ヴォリュームからの自立性の獲得が意図されている。
また、シリンダー内部は通りの様子や内部のアクティビティに呼応した多様な光を湛え、光の様相体が建物と街路の緻密な関係を築くインターフェイスとなり、生き生きとした人々の情景がつくる魅力的な街路空間をステンレスで表現し、ステンレスのイメージアップに大きく貢献した作品である。 |
使用鋼種 |
SUS 304 |
使用量等 |
8,300kg |
推薦会社 |
ー |
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機能性部材 |
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渦流式落差工ステンレス鋼管 |
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ナスエンジニアリング |
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本物件は下水道整備工事のうち、雨水貯留管の建設工事の一環である。
大雨時に近くの鶴見川に排水できない雨水を一時的に貯留させる設備の一部であり、雨水を2本の導水路からそれぞれφ1,900とφ2,700のステンレス鋼管に流入させ、管の内面に雨水を沿わせ落下エネルギーを減衰させて高低差21mと26m下にある貯留管に流すための製品である。
従来はFRPを使用するものが多かったが、ステンレスの高強度と耐食性を併せ持つ優れた材料であることから採用された。
ステンレスが災害時においても社会貢献を果たす事例であり、新規需要開拓された作品である。 |
使用鋼種 |
SUS 304 |
使用量等 |
48,000kg/個 |
推薦会社 |
日本冶金工業 |
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